02 August

狐につままれた劇団

その昔、人を化かすというたくさんの動物がいました。有名なのはキツネやタヌキなど。動物たちが人を化かすというのが不思議なことではなく、普通の出来事として語られていた時代のお話です。

狐に化かされた劇団一座

昔々、これは昭和初期のお話。福島県いわき市と茨城県北茨城市との県境に辺りの地域に住んでいた男が居た。
この時代、今のように舗装された道路などはなく、車やバイクもそれほど普及しておらず、徒歩での移動が主であった。

そんな中、各集落を転々とし報酬代わりに米や野菜等の食料を得て巡業していた旅の芸人一座が男の住む集落に立ち寄り公演を行い、次の集落へ向かうため公演を終えた翌日の早朝に集落を出て行った。
その後、男が別の集落へ行こうと夕方に差し掛かる頃、山道を歩いていた。
その山道で男が見たものは、男の目的地とは違う集落を目指して早朝に旅立っていったはずの一座が少し広めの原っぱで芸を披露している。

はじめは芸の練習でもしているのかと思ったのだが、一座の面子がどうも何かと対話しているかのように芸を披露している。
これは様子がおかしいと悟った男は、わざと芸をしている中心に割って入り一座の注意を引いた。

芸を邪魔されたと怒りながら男に歩み寄る一座の男を思いっきり殴りつけ、そこにいる他の一座全員の顔を順番にひっぱたいていった。

我に返りきょとんとしている一座の面々、何をしていたのかと聞いくと大勢の客の前で芸をしていたのだという。

男が一座の居た原っぱにたどり着いた時は、もちろん原っぱに人などおらず雑草が生い茂っていただけ。
そして、客から投げられたお捻りだと差し出された籠の中身はただの木の実だった。

あまりの出来事に、一座全員あっけにとられて固まってしまった。

しばらくした後正気に戻り再度、旅支度を整えていた芸人一座。
そこで今までの興行で得た報酬の食料が積んであった馬車の異変に気づく。
なんと、たくさん積んであった野菜が空になってたのだ。

それからというもの、一座の旅路は昼間でも松明に火を灯しながら目的地を目指す事になったという。

-この物語は実話やインターネット掲示板を元にしたフィクションです。-